井戸水での洗車がNGなのはなぜ？やっかいな「イオンデポジット」を徹底解説

大切な愛車をきれいに保つには、洗車が欠かせません。自宅で洗車する人も多いのではないでしょうか。ただし、自分で洗車する人も、案外洗車に使う「水」を気にする人は少ないかもしれません。ところが実際は、洗車に使う水は大変重要です。そして、意外にも「井戸水」を洗車に使うのはNGなのです。そこで今回は、なぜ井戸水での洗車がNGなのか、落とすのがやっかいな「イオンイオンデポジット」とは何かお話ししていきましょう。

井戸水での洗車がNGなのはなぜ？

井戸水というと、水道水よりきれいな天然の水というイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。ところが、洗車するのに井戸水はNGだといわれているのです。なぜ井戸水での洗車はNGなのか、みていきましょう。

「井戸水」とは？

井戸水とはその名の通り、井戸に湧く地下水のことです。日本においては水道の普及する以前は井戸水が広く使われていました。そして手洗いや炊事、飲用や洗濯などに、井戸水は必要不可欠な存在だったのです。そして水道の広く普及した現在も、草木の水やりや洗車などに井戸水を使っている人もいるのでしょう。そのため、洗車にも井戸水を使っている人もいるのです。

井戸水にも種類があるのは、ご存知でしょうか。地下数十メートルから数百メートルの深さまで掘削された井戸である「深井戸」と、地下数メートルから数十メートルまで掘削された「浅井戸」です。深井戸の水は地下の深いところからくみ上げる地下水で、地表の汚染物質の影響は受けないものの、金属物質や鉱物質の多く含まれる可能性があります。浅井戸は地表近いところの地下水をくみ上げるため、地表の農薬や化学物質、汚染物質の影響を受けやすく、水質検査・浄化しなければ飲料水にはできません。

井戸水での洗車はなぜNG？

井戸水は、水道水と比べて余分なものの含まれない天然の水だというイメージをもつ人も多いでしょう。そのため、洗車する際も水道水より井戸水の方が適していると思われるかもしれません。また、外で水を使うのに井戸水の方が水道代もかからず手軽に使えるからと、洗車に使っている人も多いことでしょう。

このように洗車に使っている人も多い井戸水ですが、実は洗車に使うのがNGなのはご存知でしょうか。それは、井戸水には水道水と比較して鉄分・ミネラルの多く含まれる井戸水は、飲用するにはよいものの、洗車に使った際にミネラル分が白いシミになってしまう恐れがあるのです。これが「イオンデポジット」です。

イオンデポジットは白い斑点状にミネラルの固まった状態であり、放置すると「ウォータースポット」となってボディにダメージの及ぶことになりかねません。

できてしまったイオンデポジットを落とすには？

井戸水によるイオンデポジットの起きた状態を繰り返すほど、堆積物は固着して除去しにくくなってしまいます。「デポジット除去剤」や溶剤、ケミカルで落とせる程度ならよいものの、しっかり固着してしまった場合には研磨剤を使わなければならなくなることにもなりかねません。

どのような水で洗車すればいいのか？

井戸水を使って洗車すると、イオンデポジットになりかねません。それでは、どのような水で洗車すればいいのでしょうか。

洗車に適した水とは？

洗車に適した水は、不純物が含まれない水です。不純物が含まれていると、乾燥した時にイオンデポジットとなってしまうからです。塩素や鉄分・ミネラルといった不純物のない水といえば、水分中の不純物がほとんど含まれない「純水」ですが、純水器を使用しなければならないので、一般家庭ではなかなか難しいでしょう。それでは、水道水と井戸水では、どちらが洗車に向いているのでしょうか。

豊富なミネラルと共にごく小さな砂などの混じることのある井戸水と違い、河川などの水をカルキなどで殺菌したのが水道水です。日本の水道水は安全に飲用できる品質の高さを誇っていて、井戸水と比べて不純物も少ないので、洗車には井戸水より水道水が適しているといえるでしょう。

どうしても井戸水を使いたい場合には？

洗車する場所にある水道の関係で、どうしても井戸水を使いたい、使わなければならない場合もあるはずです。そのような場合には、どのように洗車したらいいのでしょうか。

井戸水を洗車に使う場合には、水分の乾く前にしっかり拭き取るようにしましょう。水分を残さず拭き上げれば、シミになるのは防げます。また、仕上げ水にだけは水道水を使うのもいいでしょう。

まとめ